大家族で賑やかに暮らす二世帯住宅であっても、常に誰かと接しているのは疲れてしまいます。円満な二世帯住宅ライフを送るためには、一人で安らぐ空間と時間も必要です。プランニングの際に、階段下のスペースや、中二階や屋根裏などに、一人になれる大人の隠れ家を作りましょう。限られた空間であっても、きっと癒しの時間を過ごせるはずですよ。
どんなに仲の良い親子、夫婦であっても、育ってきた環境が違えば、価値観や文化が異なります。特に、二世帯同居の場合、ひとつ屋根の下に二組の主婦が住まうため、些細なことでもストレスの原因に…。そんなとき、自分の価値観と違うからといって、相手を否定してはいけません。許容する心を忘れずに、お互いの価値観を認めることが大切です。
物理的なプライバシーの確保は、間取りを工夫すれば解決しますが、心のプライバシーは、お互いの配慮なしには確保できません。たとえば、外出のたびに行き先を聞いたり、良かれと思ってプライベートな空間を掃除したり…。そんなことが、相手を気疲れさせてしまうかもしれません。一緒に住んでいても、「程よい心の距離」を保つよう意識しましょう。
同居する家族は、家政婦やベビーシッターではありません。ついつい甘えてしまいがちですが、それが積み重なるといつか相手の負担となって爆発してしまう可能性も。特に、母親と娘の同居は過度な甘えが共依存となり、その他の家族のストレスにもつながります。家族を都合よく使うのではなく、頼みごとをしたら必ず感謝の気持ちを伝えてください。
働き盛りの子世帯と熟年を迎えた親世帯では、生活リズムが違うのは当然です。それぞれの世帯で異なる一日の流れや過ごし方を、無理に合わせてはいけません。お互いのスケジュールを把握し、タイミングが合う時間だけを共有して楽しめばOK。次ページで紹介する3つの二世帯住宅のスタイルから、自分たちの暮らしに合うものを選ぶと良いでしょう。